2025年05月16日

五色沼と檜原湖(5)

 午前七時に起きて、温泉に入ることにした。朝は雲が多かったが、薄日がさしてきた。露天風呂からは、林越しに檜原湖の湖面が見えた。お湯は弱酸性だが、メタケイ酸のおかげで滑らかだ。
 朝食もバイキングだった。チェックアウトする前に、遊覧船に乗ることにした。檜原湖は一八八八年の磐梯山大噴火で、山体崩壊した土砂が川をせき止めて生まれた。谷間にあった檜原村は水没した。湖面が川のように細長く、あちこちに小島が飛び出している。風景としては面白いのだが、そこには村を飲み込んだ悲劇が隠されている。
 遊覧船は十時に出航し、湖の半分を過ぎたあたりでUターンする。朝日を浴びた磐梯山と、湖面を吹き渡る風に胸が高鳴った。友人が丸く飛び出した小島を見て、盆栽のようだねと言った。ここにも洞爺湖のように、カモメが住み着いていた。


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2025年05月07日

五色沼と檜原湖(4)

 裏磐梯レイクリゾートホテルにチェックインした。エレベーターを降りて、角を曲がったらびっくりした。まさしく宮殿のような造りである。廊下があまりにも長く、紺地に白の模様入の絨毯は、遠ざかるにつれて幅が細まっていくように見える。遠近法の視覚的効果で、無限に遠い距離を歩かされるような気がした。
 廊下には現代美術のようなオブジェがあった。石や朽ちた根、白樺の幹が飾ってあった。売店で塩飴と塩キャラメルなどを買った。会津の塩は、太古の海水が閉じ込められ、それが温泉水に溶け込んでいた物。温泉のお湯から取られた珍しい塩である。
 夕食はバイキングだった。寿司や天ぷら、ステーキ、中華やイタリア料理など、食べきれない物が並んでいた。デザートのケーキ類、マンゴーなどで作るパフェなど、たらふく食べてしまった。
 仮眠した後、十二時過ぎに温泉に入った。火山性で硫酸も含まれているが、メタケイ酸が多いので、肌に滑らかだった。湯は若干緑がかっている。(つづく)


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2025年04月29日

五色沼と檜原湖(3)

 しばらく進むと、弁天沼が見えてきた。かなり大きな沼で、対岸までの距離が長い。手前が深い緑色なのに、遠くはライトグリーンに見える。全体的に色が濃いために、手前の浅い所しか、木々の影が映っていない。
 最も大きく湿原に広がるのが、毘沙門沼である。光が水面できらきら光っている。鯉の群れがこちらの声を聞きつけて、集まってきた。餌をくれると思っているのだろう。あいにく何も持ち合わせていない。
 人々の歓声が聞こえると思ったら、ボート漕ぎをしていた。日常的な空間がそこにはあった。井の頭公園かどこかのような。神秘とか自然美とか、目を見張る物がない代わりに、ゆったりとした時間が流れていた。
 駐車場と土産物店が見えてきた。五色沼の探索路もここまでだ。時計を見ると、ちょうど午後四時になっていた。ジュースを飲んで一休みしたあと、五色沼入口の停留所で路線バスに乗った。(つづく)


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