2025年02月10日

白老のウポポイ(2)

 白老の駅から十分ちょっとの所にアイヌ文化を紹介する施設ウポポイはある。入場料は千二百円である。友人も白老は訪れたことがあるのだが、その頃はほとりにあるポロト湖の岸辺に立って、いい所だねと家族と話し合ったそうだ。現在は湖畔も施設の中に取り込まれている。
 コタン広場では、アイヌの踊りが終わるところだった。そこで、国立アイヌ博物館の中に入ることにした。アイヌが儀礼に用いるイナウは、神道の幣のような物である。アイヌの刀や漆器は、和人との交易で手に入れた物だろう。アットゥシ(厚司)は樹皮を裂いて織った着物で、アイヌ独特の文様が施されている。
 アイヌは生まれると、赤児のうちはシンタという揺り籠に載せられる。杭を地面に刺したり、輪投げをしたりして遊ぶ。大人になる前に、漁の方法を習ったり、山菜採集の手伝いをさせられる。大人になると、囲炉裏の前で結婚する。男は狩猟に出るようになり、女は火のカムイに守られながら出産する。死に装束は人目に付かぬようにし、未完成のままにしておく。衣装にも魂が宿っているので、完成すると着てほしくなって、死人が出てしまうからだという。(つづく)


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2025年01月31日

白老のウポポイ(1)

 翌日は快晴だった。当初の予定では、登別のクマ牧場を訪れるつもりだった。ただ友人も僕も行ったことがあるし、ロープウェイで上っても、倶多楽湖はよく見えないらしい。そこで急遽、白老に向かうことになった。
 午前十時前にホテルをチェックアウトした。バスは始発ではないので、かなり込んでいた。駅までは二十分ほどかかった。室蘭本線の接続が良くないので、白老までは10分しか乗らないのに、特急の指定席券を買わざるを得なかった。
 白老のポロトコタンは、大学三年生の時に見学した。だから、全く初めてというわけではない。施設の名前となったウポポイは、アイヌ語で大姥百合を意味する。二メートル近くになり、黄緑色の花を咲かせる。アイヌは根を食用としてきた。ウポポイと名を改めたポロトコタンは、民族共生象徴空間として、国の施設になったのである。(つづく)


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2024年12月26日

登別温泉は強酸性(3)

 夕食を食べ終えると、午後八時になった。鬼花火というのに、まだ間に合うかもしれないと思った。これは松明の束を持った鬼の扮装をした男たちが、坂道を駆け下るという物らしい。ただ、坂を上っていくと、大勢の人たちが下りてきた。警備員が有り難うございましたと繰り返している。始まったばかりで、もう終わってしまったらしい。
 やむなく坂を下っていくと、半地下の間欠泉に人だかりができていた。熱水の噴出が始まったからだった。すごい勢いである。ビデオに撮影しようとしたが、湯気だらけで焦点が合わない。音だけは録れただろうが。その間、火山性ガスを吸ってしまい、卵の腐った臭いに閉口した。
 今日のホテルは午前二時まで温泉に入れるので、布団に横たわって眠った。友人はかなり疲れているらしく、いびきをかいていた。十二時を過ぎて一時近くなって、ようやく大浴場に行くことになった。
 登別温泉はpH2の強酸性で、湯の花が沈殿していて、白く濁っている。この手の温泉に入るのは、随分久し振りだった。微かだが、火山性ガスの臭いもする。アトピー性皮膚炎にはいいらしいが、ちょっと皮膚に刺激がある。四階にあるため、露天風呂もブロックの壁に囲まれ、外気が入ってくるのは天井だけだった。


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