このままでは一太郎のように、日本語に最適化されたワープロと、それによって育まれた文化が消えてしまう。若い世代にも使ってもらえる、一太郎のような使い勝手のアプリが求められているのである。
一太郎ベーシックのようなものもいいが、それだとさまざまな制約が多い。文章を書くのに特化したワープロなら、ルビと傍点の記法を含んだテキストファイルによって、一太郎から出力されたファイルでも読み込むことができる。
一太郎の「アウトプットナビ」→「小説投稿」には、|親文字《ふりがな》+|傍点《・》の形式でテキスト出力する機能があり、一太郎で読み込むとルビと傍点が復元される。この形式を利用すれば、複数のアプリでもテキストが共有できるのである。
文章に特化したワープロで、もう一点クリアーしなければならないのが、ワード形式への出力である。ワードの使いにくさの一つは、ルビを設定すると、その行だけ改行幅が広くなってしまう点である。そのワープロからは、改行幅が均一に設定されたワードファイルが出力できるようにした方がいい。デフォルトの設定では、A4サイズで出版社に提出するのにふさわしいレイアウトで、縦書きか横書きの出力が選択できるようにする。詳細設定では、細かい文字数、行数が設定できるようにして。
ルビと傍点はテキストファイルで対応できるが、開発されるアプリには、インデントの設定も必須である。これは、シナリオを書く際には必要となる。こうした書くための最低限の機能に絞れば、開発費も抑えられ、若者でも手が届く価格で提供できるだろう。さらには、Microsoft 365のように、クラウドにあるアプリで、パソコンからもタブレットからもスマホからも操作できるサブスクのサービスも提供すれば、より幅広い顧客の獲得も可能だと思われる。
対応ファイルとしては、そのアプリ独自の形式のほか、ワードのdocx、ルビと傍点のついたユニコードテキスト、表紙をつけただけの簡易的なEPUBなどが考えられる。
このようなアプリは個人のプログラマーでも作れるかもしれないが、OSのバージョンアップで使えなくなったりする。できれば、一太郎の生みの親である浮川氏が経営するMetaMoJiが開発してくれればと思うのだが。
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