2023年11月10日

漢字検索システム

 その漢字が小学何年生で教えられているのかなど、普段は意識しないものだが、小学校の教員が教材を作ったり、小学生向けの読み物を書くときには、留意する必要がある。
 ワープロの一太郎なら、何年生で教えられるかで、漢字にふりがなをつけることができる。ただ、一太郎を使っている人は一部だろうし、ふりがなをつける以前に、その漢字の使用を避けたい場合もある。
 ネットで調べていたら、便利な物を作成してくれている人がいた。「漢字検索システム」というもので、オンライン用とオフライン用がある。ある程度の文章でも、複数の漢字を調べて、何年生で習う漢字か、小学校では教えないか調べてくれる。
http://denki.nara-edu.ac.jp/~yabu/edu/kanji/kanji3.html


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2023年07月22日

登録日本語教員が国家資格に

 登録日本語教員は国家資格として法制化された。2024年4月から施行される。5年間の経過措置が取られるので、現在日本語学校で働いている日本語教師は、新たな資格を取らなくても、その期間は職場で働き続けることができる。
 ただ、現役の日本語教師の過半数は五十代以上である。文部大臣認定だった日本語教育能力検定試験は、知らぬ間に民間試験に格下げされ、あたかも無資格であるかのように、新たな国家資格の取得が求められているわけだから、現役教師の多くは不満や怒りを感じている。いくら経験があっても、国が求める水準に達しているかどうか怪しいという烙印を押されてしまったからである。たとえ講習や受験で多額の投資をしても、給与は低いままだろうし、年齢を考えれば数年しか働けないとなれば、多くの現役教師が試験を受けずに、経過措置が終わった段階で退職することだろう。
 私は大学で日本語教育を教えていたが、八年間で実際に日本語教師になったのは、知る限りでは一人しかいない。待遇の低さが大きな問題で、男性の場合、たとえ常勤になっても家族を養うことは難しい。
 二種類の筆記試験に合格した上に、教育実習を受けなければ、大学や大学院で日本語教育を専攻した学生であっても、登録日本語教員として認められない。これだけハードルを高くしては、新たに日本語教師を目指す若者は、皆無に近くなるのではないか。理想主義を押し通した結果がどうなるかは、五年後の実態を見れば明らかになるだろう。


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2023年05月24日

逆接の表現(pdf)

 外国人が日本語を学習するとき、戸惑うことの一つは類似した表現である。英語圏の学生が和英辞典を引いて、英語で違いを理解しようとしても限界がある。やはり、典型的な例文を覚え、違いがどこにあるのか教師に質問するしかない。
 以前、「は」と「が」の違いについて、「と」「ば」「たら」「なら」の区別について書いた。今回は逆接の表現を取り上げることにする。日本人のように完璧に違いを使いこなすのは難しいので、理解できる用法は最大限に増やして、学習者自身が日本語で表現する場合は、誤用が避けられるように、使い道の広い用法を覚えるようにすればいい。効率的に学習することが早道なのである。また、古めかしい表現は普通の外国人には不要である。
 以下のリンクから、pdfファイルをダウンロードしていただくとして、簡単な説明を付け加えていくことにする。
gyakusetsu.pdf


T 接続詞と接続助詞

「しかし」と「ただし」の違いについて、某日中辞典を見たら、同一の説明をしていて、これでは中国人の学生が理解できないだろうと思った。「ただし」は条件や例外を加える場合に用いるのであって、「もっとも」にも同様の用法がある。
 逆接の表現を含む内容を、「が」や「けれども」を接続助詞として用いて表す場合には1文、接続詞として用いて表す場合には2文となる。接続助詞「のに」と、接続詞「なのに」のように、語形が若干変わるものがあるのに注意する。
「ところが」は予想外な展開に対する驚きを示す。「にもかかわらず」も似ているが、不条理な状況に対する批判のニュアンスを含むので、自分自身について言及するときには用いにくい。相手への批判に侮蔑のニュアンスが加わる場合には「くせに」が用いられる。
「ながら(も)」と「と言いながら」は類似しているが、後者は発言の矛盾を指摘する場合に用いられる。「ものの」はそれ以上、事態か進展しない場合に用いられる。「といっても」は前件から予想される事態に対し、後件の程度が低い場合に用いられる。「ものを」は相手への不満や残念な気持ちを、含意として表す言いさしの表現である。


U 仮定条件と確定条件

「のに」と「ても」の違いも混同されやすいが、「のに」には「確定条件」の表現しかないのに、「ても」には「確定条件」のほかに「仮定条件」の表現がある。
 また、「のに」にタ形が上接して、いわゆる「反実仮想」、現実に反する状況を想定する表現もある。


V 階層性

 南不二男は従属節の独立度を、階層的に分類している。独立度が低い順にA類、B類、C類と分類している。逆接の表現に限って言えば、「ながら」がA類、「のに」「ても」はB類で、「けれど」「が」がC類となる。例文で示した「のに」「ても」の方が、「けれど」「が」より独立度が低い。したがって、独立度が低い「のに」「ても」は、独立度が高い「けれど」「が」の節の中に、入れ子状に組み込まれるのである。


W 「なくて」「ないで」「ず(に)」

 ここでは併せて、「なくて」「ないで」「ず(に)」の違いについても、触れておくことにする。これらは用法から、「なくて」と、「ないで」「ず(に)」に二分される。
 まず、活用を確認しておくと、形容詞系では前項がイ形容詞でもナ形容詞でも、「なくて」の形を取る。一方、動詞では「なくて」「ないで」「ず(に)」のいずれの形も可能だが、用法によって使われるものが異なってくる。
「なくて」は原因や並列の表現にもっぱら使われるが、「ないで」には幅広い用法があり、大抵は「ないで」を使えば間に合ってしまう。「ず(に)」は「ないで」の用法と重なるが、書き言葉で用いられる。
「ないで」が多用される表現としては、「付帯状況」がある。「否定の許可」「否定の依頼」「禁止」「二重否定」などでも、「ないで」が用いられる。


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