2026年01月17日

真栄田岬の幻影(6)

 しかし、上りきった甲斐があった。残波岬の全体、遠い海の彼方まで見える。吹き渡ってくる風が涼しい。三十メートル弱の高さだが、下のうだるような暑さとは別世界だ。気持ちよさを感じると、心にも余裕が感じられる。真栄田岬と似たようなものかと思っていたが、ここには過去につながる感傷などなかった。彼方にお菓子御殿の赤い屋根が見える。
 灯台を下りた後、岬の岩場を上っていく。ここが海底だったのは、岩場の珊瑚が海底にある頃の形のままで、岩と化していることで分かる。地質学の尺度からすれば、つい最近まで海底だったのだろう。靴を履いていても、靴底に珊瑚の先端が突き刺さりそうだ。
 初めて珊瑚礁を歩いたとき、サンダルで踏み込んだために、足に切り傷を負ったのを思い出した。死んだ珊瑚は割れた瀬戸物のように、先端が鋭いのだ。それが今でも感じられる。(つづく)


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posted by 高野敦志 at 01:39| Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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