一太郎に付属するATOKは、さまざまな辞書を組み込むことができ、意味を調べたり、類義語を提示する連想変換も可能である。共通語だけではなく、方言や古文の入力にも最適化できるのだ。優れた日本語入力機能で、編集にはWordを使っているユーザーも、入力はATOKを使用している場合が多い。
ところが、一太郎に付属しているATOKは、一太郎2021を最後に買い切り版が姿を消し、すべてサブスクのATOK Passportとなった。そろそろ一太郎もバージョンアップしようかと考えていたところ、次のATOKが生成AI「ATOK MiRA」となることを知った。しかも、ATOK Passportのベーシックプラン月間330円がなくなり、プレミアムプランの月間660円のサービスに統合されることになった。
これは大きな問題である。GoogleのIMEの機能が大幅に向上している現在、330円のベーシックプランで満足していたユーザーが、ATOK離れを引き起こす恐れがあるからだ。多機能が使えるとはいえ、かかる費用が2倍になるためである。
それよりさらに深刻なのは、次のATOKに生成AIが採用されたことである。一太郎のコアユーザーは教員や作家である。自分で文章を書くことにプライドを感じている層が、ああしろ、こうしろと、文章の推敲で意見されたら、たまったものではない。
それだけではない。文学賞では生成AIの使用を禁止しているところが多い。プロットを生成AIに作ってもらうのは論外だが、文章の推敲を生成AIにしてもらったら、これは明らかに生成AI禁止の規定に抵触する。
それを知った自分は、たとえ一太郎のバージョンアップはしても、従来のATOK機能のみをインストールすることにし、生成AI「ATOK MiRA」は決してインストールするまいと思ったのである。
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