2025年07月12日

ヘンリー川原の《enDOLPHIN》

 モンロー研究所のヘミシンクやi-doserなどの脳波を誘導する音声は、今の若い世代にも知られているが、1990年代にはヘンリー川原というアーティストが、多数の画期的なアルバムを発表していた。単に脳波を誘導するだけでなく、音楽に環境音などをミックスして、他に類を見ない没入感をもたらした。八幡書店でかつて販売していたブレインマシン「スターゲーザー」のプログラムを作成していたのも、ヘンリー川原である。
 若い頃はよく聞いていたものだが、最近ふたたび環境音楽に関心を抱くようになり、今はほとんどが品切れとなったアルバムを聞き直して、その斬新さに改めて驚かされている。
 今回紹介するのは、《enDOLPHIN》という作品である。1曲目に収録された同名のトラックは、イルカたちの鳴きかわす声を録音したもので、余りに楽しそうなので、聞き入るうちに、子供たちの笑い声に聞こえてしまう。イルカたちの気持ちが理解できるような気がして、脳内にエンドルフィンが分泌されるという趣向である。
 2曲目のTritonは、海王星の衛星トリトンにちなんだものである。トリトンは海王星の潮汐力によって、氷の下に海があると想像されている。そこにいるかもしれない生命に、イルカをなぞらえているのである。イルカたちはこちらにメッセージを発している。口で発するクリック音や鳴き声で、我々に語りかけてくるのであるが、何を言っているのか分からないので、謎は深まるばかりである。
 3曲目はNeuronである。ニューロンは脳の神経細胞のことで、ニューロンの間にあるシナプスから発する化学物質によって情報が伝達される。ミニマルミュージックに重ねられた鳴き声から、イルカの言語を理解しようとする人の脳内では、ニューロンの間を情報が次々に伝わっていく。そのさまを表現しているのではないか。
 4曲目のTherapy Islandでは、あなたはすでにイルカの言語を理解し、自在に海の中を泳ぎ回って、コミュニケーションを行っている。もはや思い悩むこともなくなり、水の流れに身を任せているだけでいい。このような超絶した世界は、一部の者にしか受け入れられないだろうが、一度耳にしたら忘れられないディープな世界に引き込んでくれる。
 このアルバムはすでに廃盤となっている。中古でも入手が困難で、Amazonなどで聞くこともできない。まだ耳にしたことがない世代のために、リイシューされることを願ってやまない。

 (なお、翌日にこの英訳を掲載する予定)


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posted by 高野敦志 at 00:29| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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