2024年11月24日

映画「ザ・シークレット: デア・トゥー・ドリーム」について

 これはロンダ・バーンの『ザ・シークレット』が原作の映画である。夫に先立たれたミランダは、車の運転中に娘と口論となり、前の車と衝突してしまう。バンパーが壊れたのだが、ぶつけた車の運転手ブレイは大学教授で、無料で修理を引き受けてくれた。その夜、ハリケーンが襲来し、ミランダの家は倒木で屋根に穴が開いてしまった。
 しかし、翌日、様子を見に来たブレイが、最低限の費用で屋根の修理もしてくれた。悪いことばかり考えていると、悪いことしか起こらない。しかし、希望を持って生きていればいいことがあることを、ブレイはミランダや子供たちに伝える。
 ここでテーマとなっているのは、『ザ・シークレット』で解かれる「引き寄せの法則」である。前向きに生きようとすることで、ミランダの一家は夢を実現する。実は、ブレイはミランダの亡き夫と共同研究をしていて、特許による収入を、一家にもたらしてくれた。ミランダとブレイの事故も、意味のある偶然の一致だったのである。
 引き寄せの法則は、仏教が説く「因果応報」のようなもので、「情けは人のためならず」ということわざも、「善因善果」という仏教の教理から来ている。また、車の衝突という不幸が、結果としてミランダの家族を幸せにしたことは、「塞翁が馬」という中国の故事成語を想起させる。日本人には馴染みのある知恵であるが、欧米人には新鮮だったからこそ、『ザ・シークレット』はベストセラーになったのだろう。日本人に感動をもたらしているのは、それだけ現代人が伝統的な知恵を忘れているからである。


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posted by 高野敦志 at 01:04| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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