2022年12月06日

映画「ビヨンド・ザ・エッジ」について

 これは世界初のエベレスト登頂を果たした、イギリス隊のエドモンド・ヒラリーと、ネパール人のシェルパであるテンジン・ノルゲイの物語である。フィクションを排したドキュメンタリー映画のタッチで、登頂までのプロセスを俳優に演じさせている。
 カトマンズを出発した登山隊は、西洋人の登山家13人、ネパール人のシェルパ30人で構成されていた。いくつもの峰を登ったり下りたりしながら、酸素の少ない高地に体を慣らしていくのである。
 低地しか登れないシェルパが下山してからは、高山病との闘いになる。血管が拡張し、脳内出血や心臓発作の危険が高まる。酸素が乏しくなると、判断力も低下してくる。氷河は少しずつ動いており、地響きのような音がしてくる。
 登山隊が道を作り、重荷を背負った高地に強いシェルパがついてくる。巨大な塔、山小屋のような氷の岩が、突然崩れ落ちてくる。かつての登山隊が遭難した地点を過ぎると、巨大なクレパスを、アルミの梯子をつないだり、木を切り出して橋を作り出したりして越えていく。
 エベレスト登頂を目指す登山は、イギリスの威信を賭けた競争であるとともに、モンスーンが始まる5月末までの、時間との闘いでもあった。酸素補給器をつけていても、不具合で薄い外気を吸ってしまったり、酸素を多く吸いすぎてしまう問題が生じる。
 8000メートルを超えると、死の世界が広がっている。風や雪崩の音が聞こえると、悪夢を見てしまう。すさまじい風の音は、地響きと区別がつかない。酸素を多く吸えないために、息遣いが荒くなり、足の動きが鈍くなって、思考能力も低下してくる。
 第一アタック隊が動けなくなったため、エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイの第二アタック隊が登頂を目指した。隊長は自身の名誉よりも、誰をアタック隊に選べば、登頂に成功するかを優先する。二人が栄誉をつかんだのは、本人の体力や判断力とともに、登山隊全体の協力があってのことなのだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

Telegram
https://t.me/takanoatsushi

GETTR
https://gettr.com/user/takanoatsushi

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村



人気ブログランキングへ







ランキングはこちらをクリック!


Twitter、facebookでの拡散、よろしくお願い致します!
posted by 高野敦志 at 01:32| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: