2025年03月25日

ジョー・ディスペンザの『超自然になる』

 難病で苦しんでいた人が、瞑想することで治ってしまうことがある。一人が祈るだけでなく、周囲の人々も祈ることで、その効果はより顕著になる。やり直したいと思ってやり直せる人と、そうでない人がいるのはなぜか。心理学者や宗教学者が扱うような分野を、脳科学の手法を用いて分析したのが本書である。非科学的と言われがちな現象に科学のメスを入れた点で、画期的な名著であると思われる。
 そうした現象が起こるメカニズムは、誘導瞑想によって自分という主体や物質が、本来のエネルギーに姿を変える「量子場」に移行し、非局在的な「意識体」となることで実現するらしい。第1から第3までのチャクラしか働いていなかった状態から、第4チャクラ(心臓)よりも上のチャクラが働くようになり、未来志向で、かつ慈愛に満ちた精神が抱けるようになる。瞑想するときに、いったん呼吸を止めて内在筋を絞ることで、脳脊髄液を上昇させ、松果体を活性化させる。それによって松果体は脳内麻薬を生み出したり、それまでは受信できなかった量子場からの情報を受信し、超現実的な映像に変えたりする。
 メカニズムの要点はそのようなところだが、本書には現代医学では語られない記述にあふれている。例えば、脳というものは頭にあるだけではない。心臓にも脳の機能があり、情報を収集する点では、頭の脳に勝るとも劣らないというのだ。脳死の患者から摘出した心臓を移植された患者が、脳死者の性格を抱くようになるのも、移植された心臓に脳死者の記憶が蓄えられていたからだという。
 著者が語る「量子場」とはどのようなものか、本書を読むだけでは十分に理解できないだろう。そのためには、著者自身による誘導瞑想のアルバムを聞く必要がある。《Project Coherence: Raising the Earth's 》と《Tuning in to New Potentials》がそれで、Amazonから購入できる。英語による誘導なので、英語が全く聞きとれない人には無理だろう。ただ、瞑想の部分は比較的ゆっくりとした発音なので、大学卒業レベルの英語力があれば聞きとれるし、聞き逃した部分も、本書で語られている内容を理解していれば、瞑想する上での障害とはならないだろう。かなり早口で語られる導入の部分は、SonyのMusic Center for PCでファイルを「語学学習」として登録すれば、ウォークマンで英語の速度を調節できる。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:06| Comment(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする