しかし、翌日、様子を見に来たブレイが、最低限の費用で屋根の修理もしてくれた。悪いことばかり考えていると、悪いことしか起こらない。しかし、希望を持って生きていればいいことがあることを、ブレイはミランダや子供たちに伝える。
ここでテーマとなっているのは、『ザ・シークレット』で解かれる「引き寄せの法則」である。前向きに生きようとすることで、ミランダの一家は夢を実現する。実は、ブレイはミランダの亡き夫と共同研究をしていて、特許による収入を、一家にもたらしてくれた。ミランダとブレイの事故も、意味のある偶然の一致だったのである。
引き寄せの法則は、仏教が説く「因果応報」のようなもので、「情けは人のためならず」ということわざも、「善因善果」という仏教の教理から来ている。また、車の衝突という不幸が、結果としてミランダの家族を幸せにしたことは、「塞翁が馬」という中国の故事成語を想起させる。日本人には馴染みのある知恵であるが、欧米人には新鮮だったからこそ、『ザ・シークレット』はベストセラーになったのだろう。日本人に感動をもたらしているのは、それだけ現代人が伝統的な知恵を忘れているからである。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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