人生がうまくいっている人、経済的に恵まれている人は、感謝することが鍵であることを知っている。逆に不満を抱き続けている人は、引き寄せの法則で不幸を呼び寄せてしまう。自我を絶対視したり、信仰を失ったりした西洋人や、生活苦にあえぐ人にとっては、感謝することの意義や実践はかなり難しいから、本書で示されたような行が必要なのだろう。
本書を読んで、若い頃の自分は感謝が足りなかったことに気づいた。感謝する対象は数限りない。両親、家族、親戚、恩師、友人、同僚のほか、自分の肉体、周囲の環境、自然、食べ物、お金、感謝する対象はいくらでもある。自分自身に感謝することは、自分を大切にし、健康を維持することにつながる。清貧という言葉があるので、日本人はお金に対して複雑な思いを抱きがちだが、お金があるからこそ生活ができるのであり、お金に感謝することで、より多くの収入が得られるようになる。
かつての日本人には、当たり前の感覚だったのだろう。天気が良ければ、まずお天道さまに感謝し、日々の暮らしが送れることに、神仏やご先祖さまに感謝してきた。日本の仏教では、一切衆生悉有仏性と言う。すべての存在は仏となる清らかな心があるということだ。それはなぜか。すべては大日如来の表れと真言密教では説く。世界のあらゆる存在は、仏という精神が現象として現れたものである。ところが、現実の自分が怒ったり、他人と衝突したりしているのはなぜか。それは自分が聖なる存在から生まれたことを忘れているからである。自分が聖なる精神から生まれたことを思い出せば、世界と自分との関係は好転する。それを可能とする魔法の言葉が、「ありがとう」なのである。
量子物理学では、あらゆる存在は粒子とも波とも確定できず、観察した瞬間にどこに位置しているかが確定する。絶対的な客観などないのである。一度関わりがあった存在は、距離が離れていても影響し合う。『華厳経』で解く「事事無礙」のように、すべての現象が関わり合っているのである。精神と物質の二元論は誤りであり、宇宙の精神がさまざまな現象を生み出し、すべての現象は関わり合う。
仏教の世界観は、量子物理学の主張を、部分的には先取りしている。動かない物質など存在せず、すべては波動と言った方がいい。だからこそ、「ありがとう」という肯定的な波動は共鳴を引き起こして、周囲にプラスの影響をもたらすのである。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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