2024年11月19日

ロンダ・バーンの『ザ・グレイテスト・シークレット』

 これは世界的なベストセラー『ザ・シークレット』の著者の新作である。『ザ・シークレット』においては、「引き寄せの法則」を明らかにし、幸せな人生を送るには、愛と感謝の精神が重要であると説いた。常にプラス思考を行い、否定的なことにこだわらないことが強調された。
 ここで気になったのは、プラスの面だけ見ていれば、幸運が舞い込み、努力せずにお金が棚ぼた式に手に入るという考え方である。物事を推し進めるには、何らかの行動が必要なはずだが、お祈りだけしていれば幸せになるといった、新興宗教的な空気が感じられたからである。
 もう一つ分からなかったのは、愛や感謝をする主体は誰かということである。こうした疑問に答えてくれるのが本書である。そこでは、意識は思考と区別されている。意識とは死を越えても残るもので、思考とは現実と信じているイメージに対する反応である。ここでいう意識とは、仏教でいう悟りの境地のようなものだろう。
 現実の世界が、意識と対峙して存在するのではない。意識が生み出したイメージが世界なのだという。現実にある量子的な波動に、意識が解釈を加えて見ているのが世界であり、物質だというのである。この星や太陽系なども、すべては空想の産物であり、知覚する肉体が死ぬと、量子的な波動に戻ってしまうが、意識だけは残るというのである。
 この意識は個人的な魂ではない。普遍的なものであり、いわば創造主の意識である。たとえ不幸に見舞われたように見えても、意識にとっては観察の対象でしかない。普遍的な精神は愛そのものであり、それを知れば、心は幸福に満たされる。一種の汎神論であって、すべての存在は神である。今こうして意識しているのも、創造主である神の意識だというのである。
 したがって、死は存在しない。意識は肉体の死後も存続する。自身が創造主であるという秘密を思い出すのが悟りであり、それを知らないと、肉体を持った存在として、輪廻を繰り返すことになる。


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2024年11月14日

洞爺湖の中島(8)

 帰りは博物館前桟橋から、温泉街に直行していった。その間、甲板からまかれる餌を狙って、ウミネコが多数飛び回り、気流に乗って船を追いかけてきた。船と一緒に泳ぐイルカのように。飛翔する力には目を見張るべきものがある。鳴き声がミャーミャーだし、黄色い嘴の先端が赤かった。
 下船した後、バスセンターに向かった。今回は有珠山の噴火口やロープウェイなどには行けなかった。もし再度訪れるときの楽しみとしておこう。始発のバスが出るまで余裕があるので、洞爺湖ビジターセンターでジオパークの展示を見た。そのあと、上稀府行きの始発に乗った。
 洞爺駅に着いた。以前来たとき、ここで八十過ぎのおばあさんがかに飯を売っていた。それを買って食べたのだが、今日は一時間弱を海岸で過ごした。対岸がうっすらうかがえる。正面に頂上が平らな山が見えるので、どこの山だろうと友人がつぶやいた。どうやら駒ヶ岳であることが分かった。その裏側が函館なのだろう。海岸沿いに鉄道で進むと、随分時間がかかるのだから、直線に海底トンネルを掘れば、東京札幌間は短縮できるだろうと友人は言った。


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2024年11月11日

洞爺湖の中島(7)

 博物館では、洞爺湖の成り立ちについて説明されていた。浅い湖があった所に、十一万年前の破局噴火で巨大なカルデラができ、そこに水がたまって深い湖となった。四万年前に隆起した中央部で噴火が始まり、中島が形成されたのだという。湖底には埋没林があり、水中に引きずり込まれたのか、水位の上昇で水没したかは不明だとのこと。
 島に生息するエゾシカは、最初は三頭だったのが、爆発的に繁殖したため、飢餓によって大量死したり、人による間引が行われたりが繰り返されている。鹿の体力では湖を渡りきるのは難しいようだ。
 洞爺湖の遊覧船は、温泉街と中島を結ぶだけで、冬期には中島に上陸することもできない。阿寒湖の遊覧船のように、湖の裏側も見られるとばかり思っていた。遊覧船は夏期は三十分おき、冬期は六十分おきに運行されている。(つづく)


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