2024年10月05日

城ノ内真理亜の『ガジュマルの樹の下で』

 城ノ内真理亜という、メルヘン作家をご存じですか。四半世紀前にNHKで放送され、現在再放送されているドラマ『ちゅらさん』で、東京の一風館に住む口は悪いが、心の優しいメルヘン作家である。ドラマでは恵里と文也の運命的な出会いをもとに、真理亜は同名のメルヘンを創作したことになっている。
 ドラマに登場したメルヘンが、ポプラ社から城ノ内真理亜の名で出版された。勿論、菅野美穂が演じた真理亜は、架空の人物だから、実際に執筆したのは、蒔田陽平という、ドラマ『ちゅらさん』をノベライズした作家であるが。
 ドラマの中で真理亜が語ったとおり、恵里と文也の恋愛をモデルにしただけで、『ガジュマルの樹の下で』は、『ちゅらさん』の物語とは若干設定がずれている。
 ドラマの小浜島は、メルヘンではちゅら島となっている。おばぁはドラマでは、古波蔵ハナだが、メルヘンでは女優平良トミの名を取って、とみおばぁとなっている。カズヤとフミヤは、おばぁのうちに泊まっており、えりぃはおばぁの隣家の娘である。
 病弱なカズヤは、島の妖怪キジムナーそっくりという設定に変わっている。病気を治すために、えりぃはカズヤとフミヤを連れて、マヤカ島に、幸福をもたらす青い鳥ソランミを探しに行くのだが……
 ドラマでの設定通り、和也の死後、成人した文也は恵里に会いに島にやって来るが、メルヘンではえりぃは島の看護師になっており、フミヤは島の診療所に赴任してきた医師という設定になっている。これはスピンオフの『ちゅらさん2』の設定を、先取りしているかのようである。
 なお、『ガジュマルの樹の下で』は長らく品切れとなっており、Amazonでも入手はできない。どこかの図書館の蔵書を探すしかないのではないか。


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posted by 高野敦志 at 01:49| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする