部屋に戻ると、湖面が闇に沈みかかっていた。五分経つと色が微妙に変わる。静寂の時が感じられた。
夜八時四十五分から二十分間、湖面で花火が打ち上げられるらしい。下におりていくと、植木がライトアップされていた。ドーンドンという音とともに、夜空に光が舞った。船で移動していくので、打ち上がるところが予想できない。カメラを合わせても、なかなかピントが合わない。それでも、終わりの頃は連発で打ち上げられたので、何枚かはまともな写真が撮れただろう。
部屋に戻ってしばらく仮眠した。ベッドの寝心地がとても良くて、すうっと意識がなくなった。目が覚めると、十二時になっていた。急いで大浴場に向かった。
サウナはすでに終わっていた。ジェットバスのうち、浮き湯が気持ちよかった。噴き出すお湯で体が浮いてしまうのだ。露天風呂の立ち湯は、立ったまま洞爺湖が眺められるもので、真夜中で湖面は見えないが、対岸の明かりが目に入った。送電線じゃないかなと友人が言った。温泉は中性だったが、少しぬるめでリラックスできた。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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