長野に戻ると今日中に帰宅できないので下車し、篠ノ井線のホームに向かったのだが、青春十八切符を使っているらしい若者が多く、長野発の列車を待つ人が大勢いた。ところどころしか席が空いておらず、ロングシートの向かい側に一人ずつ座った。甲府までは三両で、立っている人がずっといた。
甲府駅に着いて、改札の中にある蕎麦屋に入った。僕は冷やしの天ぷらそばを注文した。甲府からの列車は席が向かい合っていたし、車両の数も倍あってガラガラだった。各駅停車とはいえ、時速九十キロ近く出していたので、結構快適だった。
薄羽蜉蝣が列車の窓の外側に張り付いていた。こんな小さな体でしがみつく足の力に、友人は驚嘆していた。ただ、駅が近づいてきて、速度が落ちたところで、見えなくなってしまった。これなら飛び立てると思ったのか、力尽きて飛ばされてしまったのか。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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