2024年05月27日

笠間影印叢刊刊行会編『字典かな』

 古文書を読むには、古語と古典文法を知らなければならないが、それは活字化された古文書であって、それだけでは、手書きの古文書は手に負えない。
 最大の難関は、変体仮名である。明治中期に使用する仮名文字が制限される以前は、漢字の草書体が自由に、仮名文字として使われてきた。「江」(え)や「志」(し)など、元の漢字の字体に近い物や、現在の仮名文字に近い物は察しが付くが、「あ」と読む変体仮名には、元の漢字が「安」「阿」「亞」「惡」など複数あり、しかも書写した者によって崩し方にばらつきがあるので、頭になかなか収まらないのである。
 本書はひらがなの元になった漢字を、五十音順に並べ、それぞれの漢字の崩し方も示している。変体仮名は毛筆で書写したために、崩し方の差が大きいので、変体仮名の活字を一つ覚えただけでは歯が立たないのである。とにかく、大量の例を目にするのが第一歩だろう。
 まだ学習の途中ではあるが、巻末に掲載された手書きの例文を、いくらかでも読めるようになった。使い勝手の良さでは類書の中で群を抜いている。
 なお、一つ気になったのは、元の漢字を新字体に統一したことである。「亜」や「悪」ではなく、旧字体の「亞」や「惡」でなければ、どうしてそのような変体仮名になったのか、理解しにくいのではないか。


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2024年05月26日

弥彦山から佐渡を望む(2)

 お昼少し前に燕三条駅に到着した。燕市は洋食器の生産で有名である。ナイフとフォークのモニュメントが飾ってあった。駅前は閑散としており、目の前を高速道路の高架が走っている。魚料理の店が定食をやっていたので、入ってみることにした。僕は四色のまぐろ丼、友人はサバカツの定食を食べた。あらの味噌汁はおかわりをした。
 一時間後、弥彦線の燕三条駅に向かう。新幹線が止まる駅なのに無人駅である。ホームに下りると、かなり人が待っていた。電化されているが、二両編成である。ガラガラだったので座れた。田園地帯を単線のレールが延びている。田んぼばかりで、どこに山があるのかといった感じである。しばらくして、正面に山が見えてきた。列車はひたすら山に向かって直進する。あれが弥彦山だよと、友人が教えてくれた。
 終点の弥彦駅に到着した。駅舎は瓦屋根に赤い柱で、神社の本殿のように見える。少し進むと、赤い大鳥居が目に入った。弥彦神社は越後国一の宮で、境内の広さでは、出雲大社に匹敵するのではないか。かつて地元では、弥彦神社を参拝しないことには、大人として扱ってもらえなかったという。(つづく)


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2024年05月24日

童話『江戸の町と次郎吉』(ePub)

 天下の大泥棒鼠小僧次郎吉の話を、新美南吉風の童話にまとめてみました。小学生でも読めるように、多数のルビを振りました。
 以下のリンクからダウンロードして下さい。
jirokichi.epub

 ePubはiOSのiPadやiPhoneなどで読むのに適した形式です。iBooksなどでご覧下さい。Windowsでは紀伊國屋書店のKinoppy(http://k-kinoppy.jp/for-windowsdt.html)が、最も美しくePubのファイルを表示します。

 ブラウザからePubを開く場合、Googleのchrome(https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html)なら、プラグインのReadium(http://readium.org/)をインストールして下さい。
 firefox(https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/)にもプラグインのEPUBReader(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/)があり、縦書きやルビなどにも対応しています。
 EdgeではePubは開けなくなりました。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。


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