量子のレベルでは、物は粒子であると同時に波動でもある。そこまで細かく見ると、すべての存在はぼやけてしまう。それを動いている状態でとらえることができないからである。そうしたミクロのレベルでは、人間は対象を把握することはできない。自分にとって意味があるものとして、大まかにとらえているに過ぎないのである。
では、現象をとらえている自分には、実体はあるのだろうか。量子レベルで明らかなように、固有の実体は存在せず、出来事が発生しているに過ぎない。自分という意識も、友達や愛する人、敵対する人々によって映し出されたものに過ぎず、それが自意識として感じられるのも、記憶があるからである。
死に向かってエントロピーが増大する過程を、情報として保存しているからこそ、自意識と時間が感じられるのであり、肉体の死とともに、他人から映し出されるイメージや、記憶を保存する脳が失われれば、意識もその人間にとっての時間も消えるということなのだろう。現象には実体がないという仏教の立場と、物理学者の出した結論は近い。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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