信濃大町には静御前の伝説が伝わっている。源義経を慕って、行方を追っていた御前は、奥州を大塩と間違って教えられ、信濃大町にやって来てしまった。そこが奥州でないと知って、突いた杖に縋り付いて泣いたそうだ。その杖が桜となって、「静の桜」と呼ばれて、今でも美しい花を咲かせているという。
ベルが鳴って車内アナウンスが入ると、おじいさんは歌を中断するしかなかった。日曜日にやってるNHKののど自慢で、失格のベルを鳴らされて、歌うのを途中でやめさせられているのと、同じような幕切れだった。おじいさん達は信濃大町で下りて、太鼓を叩きながら列車を見送った。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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