時刻表を見ると、十七時四十九分発の金沢行き、かがやき153号が間もなく発車するのが分かった。切符を買ってホームに駆け上がると、列車が入線してきた。乗り込んで一分ほどして出発。ぎりぎりだった。予定より遅れているので、長野まで止まらない「かがやき」に乗れてよかった。
ジョン・コルトレーンの演奏を聴きながら、車窓を眺めていると、彼方に高崎観音が見えてきた。十年以上教員として通い、最後の年は新型コロナウイルスのせいで、一年を通じてオンライン授業となった。再び訪れることもなく、高崎経済大学を退職してしまった。思い入れもいろいろあったが、まさかキャンパスに入らないまま、学生たちと別れることになるとは、予想だにしていなかった。
高崎を通過すると、新幹線はトンネルばかりを通るようになった。佐久平を通過する頃にはすっかり日が暮れて、外を走っているのかどうかも、空気の抵抗の有無でしか分からない。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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