2024年01月21日

アート・ペッパーの《網走コンサート》

 サックス奏者のアート・ペッパーは、麻薬による逮捕と療養で、1960年録音の《インテンシティ》から十年以上の空白を余儀なくされた。それ以前と以後で、前期・後期に活動期間が分けられる。柔らかで繊細な音色が好きな人は、前期のアルバムしか好まないだろう。刑務所に入り、人生のどん底に落ちてからの後期は、サックスの響きが力強く、悲しみと怒りを前面に出した音作りになっている。
 親日家として知られ、晩年には日本でのコンサートを繰り返し行っている。初来日で受けた歓迎への思いは、自伝『ストレート・ライフ』に感動的につづられている。1982年に56歳の若さで脳溢血で亡くなったが、生前に発売されなかった録音が、三人目の妻、ローリー・ペッパーによって、次々にリリースされるようになった。
 《網走コンサート》Unreleased Art, Vol. 1 Abashiri by Art Pepper は、1981年11月22日に、北海道の網走で録音された。亡くなる7か月前のことである。モノではあるが、録音状態はかなり良い。観客を前にしたライブで、代表的なアルバムと比べても遜色のない、緊張感の漂う作品となっている。全12曲でスタンダードな「べサメムーチョ」や「グッドバイ」「身も心も」のほか、アート・ペッパー作曲の「ストレート・ライフ」「レッド・カー」などが入っている。
 このアルバムは品切れ状態で、CDは高価な値段がついている。Amazon primeでも聴けるが、もしアルバムを購入したいなら、OTOTOYでCD音質のファイルがダウンロードできる。


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posted by 高野敦志 at 00:00| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする