猥褻が何かが問われた裁判だったが、「四畳半襖の下張」は以前出版した人間が有罪の判決を受けているので、判例に従って有罪とする判決が確定した。
猥褻文書として有罪が確定した書物としては、D・H・ロレンス作 伊藤整訳の『チャタレー夫人の恋人』、サド侯爵作 澁澤龍彦訳の『悪徳の栄え』などもあるが、ポルノ雑誌やポルノビデオが氾濫する現代では、小説で公序良俗が冒されることはなくなった。特に「四畳半襖の下張」は古典文法を知らなければ理解できない。電子書籍として「四畳半襖の下張」が新潮社から刊行されたのも、公序良俗の意識の変化によるものだろう。
「国家存亡の危機に関わるような、そういった危険な文章を書くということは、物書きとして一番名誉なこと」だという思想が、野坂の意識にはある。一度は刑務所に入れられるのが一流の文学者だというフランス人の考えと共通する。反権力の意識というものが根底になければ、いい作品は書けないという姿勢である。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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