中学一年だった1975年頃は、野岩鉄道はまだ開通していなかった。ここまでどうやって来たか覚えていないが、虹見橋からむささび橋の間を回ったのだろう。谷に下りていくと、中ほどに五龍王神社の小さな社があった。
虹見橋は人がすれ違えるだけのアーチ橋である。鬱蒼と茂る森の中、鬼怒川の渓谷に沿って進んでいく。豊富な水量の水が、岩を磨き上げながら流れ落ちる。倒木が滝壺の上で横倒しになっている。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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