突然、昭和三十二年、万太郎の死後に、娘の千鶴と、遺品整理役の藤平紀子が登場する。しかも、千鶴の役は祖母タキと同じ松坂慶子、紀子はナレーターの宮崎あおいが演じるという番狂わせ。
視聴者としては、万太郎と寿恵子の最後の日々と、万太郎の植物図鑑の完成の場面が見たいと思っていたのだが。最終週のタイトルが「スエコグサ」なので、最後の日々は描かれるのだろう。
一方、『牧野日本植物図鑑』の方は、昭和十五年に完成する。寿恵子は昭和三年、五十五歳で亡くなっているから、寿恵子の死後十二年の歳月が流れている。植物図鑑完成の場面が出てくるとしたら、娘千鶴の回想という形で、完成を喜ぶ万太郎が、「これを寿恵ちゃんに見せたかった」と涙ぐむ場面が描かれるのだろうか。
なお、ドラマでは万太郎は神社合祀に反対して、東京大学をやめたことになっている。在野の学者の道を選んだという設定だが、実際の牧野富太郎は、昭和二年、壽惠の生存中に東京大学から理学博士の学位を与えられ、昭和十四年まで嘱託講師として東京大学に勤めていた。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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