2023年09月26日

朝ドラ「らんまん」最終週

 NHKの朝ドラ「らんまん」は、植物学者牧野富太郎がモデルの槇野万太カと、妻壽惠がモデルの寿恵子の物語。関東大震災の後、渋谷の待ち合い茶屋を売った金で、大泉の広い土地を購入し、二人の最後の日々が描かれるのかと思っていた。
 突然、昭和三十二年、万太郎の死後に、娘の千鶴と、遺品整理役の藤平紀子が登場する。しかも、千鶴の役は祖母タキと同じ松坂慶子、紀子はナレーターの宮崎あおいが演じるという番狂わせ。
 視聴者としては、万太郎と寿恵子の最後の日々と、万太郎の植物図鑑の完成の場面が見たいと思っていたのだが。最終週のタイトルが「スエコグサ」なので、最後の日々は描かれるのだろう。
 一方、『牧野日本植物図鑑』の方は、昭和十五年に完成する。寿恵子は昭和三年、五十五歳で亡くなっているから、寿恵子の死後十二年の歳月が流れている。植物図鑑完成の場面が出てくるとしたら、娘千鶴の回想という形で、完成を喜ぶ万太郎が、「これを寿恵ちゃんに見せたかった」と涙ぐむ場面が描かれるのだろうか。
 なお、ドラマでは万太郎は神社合祀に反対して、東京大学をやめたことになっている。在野の学者の道を選んだという設定だが、実際の牧野富太郎は、昭和二年、壽惠の生存中に東京大学から理学博士の学位を与えられ、昭和十四年まで嘱託講師として東京大学に勤めていた。


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posted by 高野敦志 at 01:08| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする