まず、大聖堂がフリーエネルギーのエンジンだったというのだが、それを立証するためには、空気中から電気エネルギーを取り出して増幅する実験を見せてもらわなければいけない。その電気を運んだのは水だと笹原氏は言うのだが、純粋な真水は電流を流さないはずである。配電が目的だったら、銅線などがなぜ用いられなかったのか。
塔や赤レンガは蓄電のためのコンデンサーだったというが、「二つの金属箔や金属板が絶縁体を挟み込んだ状態」であるコンデンサーの機能を、塔や赤レンガがどのように果たしたのか、実験で示してもらわないと説得力がない。
1816年に核戦争が起きて、タルタリアが滅亡し、その後の大洪水で世界はリセットされたと笹原氏は主張する。当時は夏がなかったというが、定説では1815年に発生したインドネシアのタンボラ山の大噴火が原因だとされる。ウランやプルトニウムは太陽光線だけで起爆してしまうので、魚雷など水中からの攻撃以外は不可能なはずである。夏がなかった原因を核戦争だとするのは、牽強付会なのではないか。
関東ローム層は、核戦争に続く大洪水による泥の堆積だと、笹原氏は主張するのだが、火山灰の積もった関東ローム層が、泥流によって堆積したという主張にも、首を傾げざるを得ない。
江戸時代の日本を描いた西洋人の絵画、京都の三十三間堂や芝の増上寺の絵が、日本離れした西洋風の神殿のように描かれ、人々も和服を着ていないことを根拠に、笹原氏は江戸時代は存在しなかったとしている。オランダ人やドイツ人の話をもとに、西洋で空想的に描かれた絵画を拠り所にして、日本がタルタリア文明の国だったとするのはおかしい。
さらに、日本各地に残る西洋的な建築物を、タルタリア文明の遺跡だとして、築地本願寺の例を出しているが、関東大震災で伽藍が灰燼に帰した後、1934年に伊東忠太の設計で竣工したものである。取り上げる例をよく調査せずに、持論を展開しようとするのでおかしなことになるのである。それに対して、DSによる歴史の改竄に、あなたは騙されているだけだという反論が返ってくるだろうが。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en
https://twitter.com/lebleudeciel38
Telegram
https://t.me/takanoatsushi
GETTR
https://gettr.com/user/takanoatsushi

にほんブログ村

人気ブログランキングへ
ランキングはこちらをクリック!
Twitter、facebookでの拡散、よろしくお願い致します!