ますむらひろしは、現在『赤旗』日曜版に『銀河鉄道の夜 四次稿編』を連載している。ますむら氏が四次稿に忠実にならって、その部分を省略するのか、筑摩書房版や角川文庫版のように、四次稿に黒い帽子の学者やブルカニロ博士を登場させて、初期形との折衷を図るかに注目していた。
連載中の四次稿編も、いよいよクライマックスの場面となった。カンパネルラが「あっ、あそこにいるの、ぼくのお母さんだよ」と言い、ジョバンニが「僕たち一緒に行こうねえ」と呼びかけて振り返ると、ジョバンニの姿は列車の中から消えている。ジョバンニが悲しみのあまり「うああああ」と叫ぶと、列車の座席には黒い帽子の学者が座っていて「おまえはいったい何を泣いているの」と問いかける。
やはり、ますむら氏は四次稿で削除された部分に、宮沢賢治の思想のエッセンスが潜んでいると考え、あえて四次稿で削除された部分を、漫画で表現することにしたのである。カンパネルラが消えた後、すぐにジョバンニの夢が覚めてしまったのでは物足りないと、僕自身も思っていたので、ますむら氏の判断に敬意を表したい。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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