2022年11月27日

星新一の「ねぼけロボット」

 宇宙船の中でアラームが鳴った。異常は貨物室で起きているらしい。どうやら、宇宙植物が侵入してきたようだ。蔓状の茎に入れ歯に似た口がついており、何でも溶かしてしまうという。
 手で駆除できないので、ロボットに登場願うことにした。出てきたのは、小咄をするロボット、料理のロボット、指揮者のロボット、踊りのロボットと、役に立たない物ばかり。人間に近い最高級のロボットを呼ぶと、起きたばかりで寝ぼけており、立ち小便をする始末。それでも、覚醒することで使命を果たし、宇宙船は無事に帰還したという話。
 ここで、物語のような宇宙旅行が可能か考えてみよう。宇宙空間は真空とされているから、植物が存在することはできない。真空に投げ出された途端、粉々になってしまうだろう。また、宇宙船に穴を開けて侵入したとしたら、その瞬間にすべての物は、宇宙船外に投げ出されるはずである。
 宇宙飛行士が宇宙船から外に出て、作業をすること自体不可能である。真空に出れば、宇宙服が破裂するだろうから。真空の中で炎を噴射しても、機体は移動することができない。もし移動できるとしたら、宇宙空間は真空ではなく、エーテルで満たされているんだろう。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:22| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする