俺はいやだと言った。地球という星は危険だ。俺をこんな目に遭わせるのを見れば分かるだろう。あなたがたの星も危険にさらすに違いない。
宇宙人は可能性を否定しながらも、地球を破壊するミサイルを開発する。発射ボタンを押すかどうかは、俺の判断に任される。俺が押したところで、語り手の正体が明かされる。宇宙に放り出されたのは、実験動物の猿だったのだ。
語り手が人間ではなかったところが落ちである。今まで宇宙に送られた猿の多くは、窒息や高温、墜落などで死んでおり、科学的な実験とはいえ、動物虐待であることは否定できない。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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