2022年11月22日

星新一の「不満」

 いやがる俺は、ロケットに乗せられて宇宙空間に放り出された。体温が下がっていき、死を待つばかりになった。気がつくと、蛙の顔をした宇宙人の星に、連れてこられていた。人道的な扱いを受けて、地球に送り返してくれるらしい。
 俺はいやだと言った。地球という星は危険だ。俺をこんな目に遭わせるのを見れば分かるだろう。あなたがたの星も危険にさらすに違いない。
 宇宙人は可能性を否定しながらも、地球を破壊するミサイルを開発する。発射ボタンを押すかどうかは、俺の判断に任される。俺が押したところで、語り手の正体が明かされる。宇宙に放り出されたのは、実験動物の猿だったのだ。
 語り手が人間ではなかったところが落ちである。今まで宇宙に送られた猿の多くは、窒息や高温、墜落などで死んでおり、科学的な実験とはいえ、動物虐待であることは否定できない。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38

Telegram
https://t.me/takanoatsushi

GETTR
https://gettr.com/user/takanoatsushi

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村



人気ブログランキングへ







ランキングはこちらをクリック!


Twitter、facebookでの拡散、よろしくお願い致します!
posted by 高野敦志 at 01:45| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする