2022年11月21日

星新一の「ささやき」

 火星帰りの青年は、地球の習慣が変わってしまったのに当惑している。どのように振る舞ったらいいか分からないので、無線のイヤフォンを装着した。その場面にふさわしい態度や会話を、ささやいてくれるサービスだった。
 久し振りにバーで友人と再会した青年は、ささやきに指示されるまま振る舞うことで、すべてをうまくこなした。そこで、サービス会社に礼に行くと、指示していたのはコンピューターであることが分かった。
 それだけではない。青年の友人たちも、ささやきのサービスに従っていたからこそ、パーティーがうまくいったことを知る。もはや自由意志では行動できずに、AIの指示に従うロボットと化していたのだ。
 便利なサービスに頼ることで、人間は思考能力を退化させて、コンピューターに支配されてしまった。スマホ中毒となった人類は、その予備軍というわけだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:11| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする