2022年11月18日

星新一の「ごきげん保険」

 N氏は日常生活での不満を訴えるだけで、保険金が下りるという契約を結んだ。野良猫で眠れないとか、砂糖入れが剥げたとか、好みの女性に無視されたとか。政治への不満による心労、年齢による若さの衰えでも保険金が下りる。ただし、保険金が下りるといっても、一件当たり百円単位では、一体何の足しになるのやら。
 対応する社員の心労は、極限に達している。それでも、顧客が毎月支払う金はかなり高いので、こまごまとした対応をしても、赤字になることはない。
 N氏は保険会社に日常生活での不満をぶちまけることで、ストレス解消をしているのである。それが満足につながっている。シュールなドラマではあるが、見ている方が心労を感じてしまった。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:57| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする