2022年11月17日

星新一の「こん」

 妻が「こん」としか言わなくなった。狐憑きになってしまったとして、夫は妻に付き添って病院で診察してもらった。身体からデータを取ったところ、精神的ショックでひきつけを起こし、思考停止に陥っていることが分かった。
 注射を打つと、妻の意識が戻り、何がショックだったか明らかになった。「承知しないわよ、今度浮気したら」と妻は口走る。これで一件落着というわけだが、星新一らしいひねりがない。
 注射を打ったら、取り憑いたきつねが話し出したとか、奇想天外な展開をするのが、星新一の考えそうな世界なのだが。「こん」と鳴いたわけを放置したまま、物語を終わらせるのは、上首尾とは言えないのではないか。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:40| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする