2022年11月15日

星新一の「はじまり」

 男が夜道を歩いていると、宇宙人がUFOを取り出した。巨大化したUFOは宇宙人を吸い上げて、どこかへ行ってしまった。びっくりした男は、通りかがりの女性に話す。すると、女性もUFOを取り出して、それに乗って去ってしまった。
 男は交番に駆け込んだが、交番でもUFOが取り出され、警官も飛んで行ってしまった。これは小泉八雲の『怪談』の「むじな」がねただと思った。「のっぺらぼうが出た」と、夜鳴き蕎麦に駆け込むと、蕎麦屋ものっぺらぼうだったという話だ。
 このアニメでは、男は精神病院に診察に行く。医師と話すうちに、男は自分のポケットからUFOを取り出し、同じようにUFOで帰還してしまった。
 これは怪談のスタイルを取っているが、自分のルーツを忘れていた者が、初めはUFOや宇宙人に驚愕しているが、自身も宇宙人だったことに気づく癒しの物語なのだ。
 作者の星新一は二十世紀末に亡くなっているが、二十一世紀になり、いよいよ宇宙人の存在が情報開示されるらしい。その場合、多くの人間の反応は、登場人物の男と大して変わらないのではないか。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:28| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする