2022年11月11日

星新一の「さまよう犬」

 女性はいつも犬の夢を見ていた。犬は野原を寂しげに歩いており、何かを探しているようだった。いつしかその犬が好きになってしまい、焦りに似た感情は、目が覚めた後も残るようになった。その後、女性はある男性と結婚した。それとともに、犬の夢を見ることはなくなった。
 あるとき、夫は女性に結婚前に見ていた夢について話した。自分が一匹の犬になって何かを探してさまよっていたというのだ。夫の方も結婚を境に夢を見なくなっていた。
 ごく親しい間柄では、夢を共有するということがあるらしい。心理学者からすれば、意識は波頭のようなもので、無意識は海であって、個人の意識も深層では他人とつながっているという。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:12| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする