ネコはおじさんのことを奴隷と呼んだ。真面目に働き、食事の世話をしてくれる。また、毛づくろいやネズミを追いかけるなど、日常の暮らしについても話した。
宇宙人は地球をネコが支配する星だと考えた。こんな平和な生物が支配する星なら、危険をもたらすことはないと判断し、宇宙船に乗って去っていった。
これはネコが自分を主人と考えているのに、餌をもらうために媚を売ることを、皮肉っているのだろう。主人だと思っているのは、ネコの頭の中だけである。現実には人間は我が物顔にふるまい、利益のためなら相手の命など何とも思わない。ネコになど質問したことが大間違いだったのである。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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