2022年11月09日

星新一の「ネコ」

 おじさんがネコと暮らしていた。ある日、宇宙船が玄関先に現れる。おじさんは気絶してしまう。その間に、宇宙人はどんな生物とも話ができる機械を使って、ネコに事情を聞くことにした。
 ネコはおじさんのことを奴隷と呼んだ。真面目に働き、食事の世話をしてくれる。また、毛づくろいやネズミを追いかけるなど、日常の暮らしについても話した。
 宇宙人は地球をネコが支配する星だと考えた。こんな平和な生物が支配する星なら、危険をもたらすことはないと判断し、宇宙船に乗って去っていった。
 これはネコが自分を主人と考えているのに、餌をもらうために媚を売ることを、皮肉っているのだろう。主人だと思っているのは、ネコの頭の中だけである。現実には人間は我が物顔にふるまい、利益のためなら相手の命など何とも思わない。ネコになど質問したことが大間違いだったのである。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:31| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする