2022年10月30日

星新一の「災難」

 語り手は選りすぐりの鼠たちを飼っていた。ある日、逃げ出してしまったので、探しに出たところ、大きな地震が起こり、怪我一つせずに済んだ。また、鼠たちを連れて船に乗ろうとしたとき、鳴きだしたので乗るのをやめると、船は沈没してしまった。
 いつも助けられている主人公は、またもや鼠たちの異常を察知した。そこで、あわてて他の家に引っ越した。そのまま暮らしていたら、どんな災難が降りかかったのだろう。語り手は元の家の大家に電話をかけてみたが、何も変化は起きていないようだった。ただ、隣には猫が大好きで、たくさん飼ってる人が住んでいたことが分かった。
 いつも気遣ってくれていると、語り手は思っていたのだろうが、鼠たちは自身の身に降りかかる災難を恐れていただけなので、選りすぐりの優秀な鼠というのは、飼い主の買いかぶりに過ぎなかったのだ。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 03:50| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする