惑星に接近して地表を観察すると、原始人が集落を作っている。転がっている岩はどれも黄金のようだった。宇宙船が着陸すると、原始人が寄ってきたので、近づくなと銃を乱射し、船内に詰める限りの黄金を詰め込む。
いざ発射すると、黄金が重すぎてうまく飛べず、「黄金の惑星を発見せり」という無線を発信して墜落してしまう。九死に一生を得て、みすぼらしい姿で歩いていると、原始人が近づいてくる。
「実は、私たちも元地球人だったのです」と告げる。原始人に見えた人たちも、黄金を求めてやって来て、欲に目がくらんで宇宙船が墜落し、原始人のような生活を送ってきたというわけである。
この星には、今後も地球人がやって来て、同じ愚行を繰り返すことが暗示されている。いくら黄金がたくさんあっても、ありふれた物質であるなら、希少価値などはない。黄金が珍しい地球だからこそ、富を築くことができるのであって、黄金の星では黄金など一文の価値もなく、貧しい生活を送らざるを得ないのである。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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