2022年10月24日

星新一の「万能スパイ用品」

 敵国のミサイルの秘密を探るために、スパイが呼び出される。敵国に侵入するのは一人だが、万能スパイ用品があるので、大丈夫だろうというのである。
 外見はアナログカメラだが、ラジオ、暗号無線、バリカン、養毛剤、ワイヤー、カッター、催涙ガスまで中から出てくる。これで本国と連絡を取りながら、変装をしてミサイル基地に侵入し、警備員と戦えというのである。
 ただ、肝心のミサイルを撮影する機能が、カメラ型の万能スパイ用品には備わっていなかった。そこで、携帯電話で写真を撮ってこいという落ちである。
 実際に軍事施設に侵入して、外見を写真に撮れたとしても、ミサイルの機能が分からなければ意味がない。外見がいかに頼りにならないかは、カメラを「万能スパイ用品」に仕立てたという前提からも明らかである。単なる笑い話に過ぎないと言うしかない。


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posted by 高野敦志 at 03:02| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする