働いて金を返せと彼に言うと、金はないし、働く気もないという答え。私は激高して、彼を人間の屑だとののしり、彼の座っていた椅子を取り上げてしまう。この椅子だけは持っていかないでくれという哀願を無視して。
私は取り上げた椅子に座ってみる。すると、幼時に母の膝にいた時のような安楽を味わう。それだけで満足してしまい、彼と同じように働く意欲を失ってしまう。何物にも代えがたい幸福で、あとは何も要らない。そんな魔力を持つ椅子だったのだ。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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