2022年10月15日

星新一の「鏡」

 子供の頃、母の三面鏡のうち、左右の鏡を平行に立てて、中をのぞいて遊んだことがある。自分の顔が無限に複製されて、どこまでも続いていく。奇妙な感覚にとらわれたものだが、実は、そこに悪魔や心霊の通り道が出来てしまうので、縁起が悪いこととされている。
 このアニメに出てくる夫は、合わせ鏡で現れた悪魔を捕まえてしまう。大きさはネズミぐらいで、抵抗する力もないように見える。そこで、夫と妻は腹癒せに、悪魔に火のついた煙草を当てたり、金槌や包丁で傷つけたり、壁に叩きつけたり、ありとあらゆる拷問を加える。鏡の魔力のせいで、夫婦の方が悪魔になってしまったようだ。
 ところが、妻が手鏡を出したとき、たまたま合わせ鏡が出来てしまったのだろう。逃げ道が現れて、悪魔は囚われた部屋から逃げ出す。それを知った夫は激怒し、妻に暴力をふるい、妻はやりかえし、家の中は修羅場と化す。悪魔が逃走したことで、消極的な形ではあるが、不幸がもたらされたということになる。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:39| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする