2022年10月13日

星新一の「夢と対策」

 夢は未来を暗示する場合と、不安が反映している場合がある。夢の内容が現実で起こったとき、はじめて予知夢と呼ばれるわけで、夢を見る原因の多くは、心身の不調が関係している。
 とはいえ、悲劇的な結末が待っている場合、夢の中だけでなく、日常的に不安がついて回る。向田邦子はエッセイの中で、飛行機に対する異常な恐怖を描いている。エンジンの音が少しでもおかしいと、この飛行機は墜ちるのではないかと思う。実際に、向田の乗った飛行機は、台湾上空で爆発して墜落した。
 アニメ「夢と対策」の主人公は、次のような悪夢を見続ける。飛行機が火を噴くと、腕時計は十三日の金曜日午後四時を指している。
 ちょうどその日は十三日の金曜日だったが、上司に出張への同伴を命じられる。悪夢とはこのことなのかと思い、顔が青ざめてしまう。体調が悪いなら他の奴に頼むからいいと言われ、悪夢が現実となるのを回避できたと思う。
 自宅に戻ってほっとしていると、飛行機が爆音を轟かせて、主人公の部屋に向かって突っ込んでくる。悪夢は現実化したのだろうか。それとも、酒を飲んでいるので、また同じ夢を見ているのだろうか。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 02:24| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする