テーブルに札束を置いて話し合っていると、窓の外に二人の宇宙人が現れる。札束を見ても、それが何だか分からない。単なる紙くずみたいな物に、価値があるとも思えない。試しに札束を持っていき、宇宙船の複製機で同じ札束を作って戻ってくる。
女性と男性は、テーブルの上の札束が二つになっているのに驚く。これは神さまからのお恵みだと言って有り難がっている。一方は複製品だから、偽札だということになる。精巧に作られているなら、偽札とは気づかれずに使えるかもしれない。外見上、全く同一だったとしたら、本物と複製した紙幣は、区別がつかないかもしれない。
喜んでいる二人を見て、宇宙人は紙幣を大量に複製して、空中からばらまく。人間たちは大喜びするだろうと考えて。これだけばらまかれれば、偽札だということは露見するだろう。
作者は紙幣のような紙切れに、価値を置いて人生を振り回されることの愚かしさを、風刺しているのかもしれない。また、金に裏づけられていない不換紙幣は、政府がいくらでも自由に印刷できるはずで、宇宙人が紙幣を複製しているのと、大して変わらないと言いたいのだろう。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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