2022年10月04日

星新一の「宣伝の時代」

 条件反射というのは、餌を食べるときに犬にベルを聞かせると、ベルを聞くだけで犬がよだれを垂らすというものである。人間に条件反射をさせて、そのときに宣伝の文句を言わせたらというアイデアを、アニメ化した作品である。
 人々は条件反射を企業に貸して、お金をもらっている。電車で肩がぶつかったり、くしゃみをしたり、あくびをしたり、果てはキスをするたびに、商品の名前を言っている。端から見ると、人間ではなく、外部から操作されたロボットにしか見えない。自分がロボット化されていても、本人は気づいていないらしい。
 ただ、一日中そんな宣伝を聞かされていると、聞いている方の記憶には一向に残らない。人間の適応能力の方が大きいと、語り手はまとめているが、果たしてそれだけだろうか。ロボット化された人間には、何かを志向する意識がなくなるから、生存のために必要なこと以外は、無関心になるからではないか。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:12| Comment(0) | 文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする