2022年10月19日

早稲田大学文学研究会について

 かつて早稲田大学に文学研究会というサークルがあった。部室は政経学部の横にある白い建物の一階、藍色のドアはノブが外れていて、中を覗くことができた。
 僕は1982年に早稲田大学第一文学部に入学し、二年からは文学科文芸専修に進んだが、もっぱらフランス文学専修の授業を受けていた。大学卒業の三年後、大学院のフランス文学専攻修士課程を修了した。僕が文学研究会に所属したのはそれまでである。
 秋の早稲田祭では、部室の下にあった政経学部学生ラウンジを借り切り、「幻点幻」という喫茶店を開くと同時に、文化人の講演会場として使用した。柄谷行人、森敦、丸山圭三郎、佐々木孝次、中沢新一、高橋源一郎、中上健次、坂本龍一などを呼んだ。
 文学研究会では、フランス文学、現代思想などの勉強会や、詩と小説の創作を行っていた。在学時にはかなり活発な活動が行われていたが、僕が早稲田大学を去って十年足らずで、サークル自体が消滅した。新入生の勧誘に失敗したためらしい。サークルの消滅とともに、会員同士の連絡もとだえた。個人的な付き合いを続けた数名を除いて。
 当時、参加していた人々は、五十代から六十代に達していると思われる。年齢からすれば、いつまでこの世にいられるか分からない。そこで、同窓会のようなものが開けるか分からないが、お互いに連絡できるメーリングリストのようなものを作ろうと思った。もし心当たりがある方は、私のTwitter(https://twitter.com/lebleudeciel38)にメッセージをくださるか、このブログの下にある「この記事へのコメントを書く」に連絡して下さい。


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2022年10月18日

星新一の「欲望の城」

 語り手はバス停で、小さな会社に勤めるサラリーマンと知り合う。会社でも家でもストレスが多いというのに、なぜか幸せそうな顔をしている。彼によれば、いつも同じ夢を見ているからだということだ。
 誰も入ってこられない自分だけの部屋で、好きな家具を置いて、ゆったりとした椅子に腰掛ける。ベッドに、テレビ、フィットネスバイク、彫刻。ほしいと思った物を、夢の部屋に配置していく。彼は現実よりも、夢の世界に生きるようになる。
 しばらくして、彼の様子に異変が生じる。夢の部屋のドアや窓が開かないというのだ。症状が悪化した彼は、恐ろしくて夜眠れないと話す。眠りに抵抗していて、バス停でウトウトした途端、悪夢に苛まれて悲鳴を上げる。夢の部屋は精神病棟と化してしまったのだ。
 コンピューターゲームにはまって、現実の生活を忘れた若者の、頽廃した生活を揶揄しているようにも見える。スマホ中毒の現代人には、さらに危険な世界が待っている。ムーンショット計画というもので、メタバースという仮想空間でアバターが活動し、実際の仕事はロボットが行うため、大幅な人口削減が画策されているのである。


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2022年10月17日

星新一の「アフターサービス」

 精力的な男性の悩みと言えば、まず挙げられるのが脱毛である。男性ホルモンが過剰だと、若いうちからはげ始める。カツラは高価だし、管理するのも手間がかかる。とりあえず、養毛剤を使ってみても、大して効果はない。ミノキシジルという発毛剤だけが、現状で効果が認められる医薬品だという。
 このアニメでは、はげ頭の画家の所に、発毛剤のセールスマンがやってくる。画期的な効果を謳った製品を持って。毛髪の種を植えると、毛が生えてくるというのだ。ただし、植物性なので黒く染める必要がある。生えるスピードが速いので、自動理髪機も必要となる。
 若者のようにふさふさにはなったが、緑の髪を黒く染め、自動理髪機を使うのに振り回され、絵を描く時間がなくなる。うんざりした画家は、セールスマンから脱毛剤を買ってはげ頭になる。元の姿でせいせいしているが、ふりだしに戻っただけである。その間に膨大な料金をセールスマンに払わされて。


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