2022年08月13日

壺から生まれた壺太カ

 むかしむかし、おじいさんが緑の巨大な壺を、隣の国から運んできました。これさえあれば、先祖の祟りがなくなると信じていたからです。あるとき、大きな赤ちゃんが壺の中から出てきました。その子におじいさんは壺太カと名づけました。
 おじいさんの愛情を一身に受けた壺太カは、漢字が大の苦手でした。「云々」という漢字を「でんでん」と読んでしまい、周りの者からからかわれたので、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫びました。
 壺太カはすべて「道なかば」で、何も成し遂げられませんでした。先祖の祟りを封印しておくべきだったのに、壺から出てきてしまったので、壺太カはおじいさんの家に不幸しかもたらしませんでした。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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posted by 高野敦志 at 01:11| Comment(0) | ショートショート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする