2021年12月31日

中条省平の『小説家になる!』

 志賀直哉が書く話らしい筋のない小説や、梶井基次郎が書く散文詩のような小説を、純文学の見本のように考えていると、技術的なことは創作には不要だという罠に引っかかる。
 小説作法の本には、木村毅の『小説研究十六講』のような理論的な本や、三田誠広の『ワセダ大学小説教室』のシリーズのように、学生向けに噛み砕いて説明している本もある。創作をする方法を理解するには、まず基本的なことから理解する必要がある。
 問題は一通り、小説らしきものが書けるようになっても、一線を越えられない場合だ。自分では最高のものが書けて、多少はほめてもらえたとしても、それだけでは最終選考まで行かない。一通り書けるようになったと思っても、技術的に足りない点がいくつもあるはずだ。それが自分自身ではなかなか分からない。
 中条省平の『小説家になる!』は、壁にぶち当たっている小説家志望者には、目を覚ましてくれる点が多い。逆に、そもそも小説の書き方を知らなければ、何の役にも立たないかもしれない。実は、かなり以前に一読していて、基本的なことは理解しているつもりだったが、改めて読み直すと、気づかされる問題が多かった。人物の性格や関係を説明するのではなく、さりげない描写や会話で表現することなどは、理解しているつもりでも、実行できていたかは怪しい。
 中条氏は小説家ではない。小説を書いたこともないし、書くつもりもないと明言している。それがかえって、小説を書く際のコツを、ためらうことなく開示することにつながっている。自分が書いたものを、作家や編集者に読んでもらえない場合は、とりあえず、書き終えた作品を印刷し、どんな点が至らないか、本書を元に赤ペンを入れていくといい。
 なお、本書はメタローグで刊行され、のちに『小説の解剖学』と改題された。本書の続きは 『小説家になる!2』であるが、のちに『小説家になる!』と改題された。ともに、ちくま文庫から刊行されている。


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2021年12月30日

甲府に行くなら常磐ホテル(5)

 すでに二時半を回っていた。昼食をどこでとるか迷った。影絵美術館の隣の店でほうとうを食べた。曇ってしまったので、ロープウェイに乗る気もしない。友人はすぐに湯村温泉に出て、湯村山に登りたいと言いだした。次の甲府駅行きのバスに乗った。
 湯村温泉に着くと、四時を回っていた。ただ、三時間も歩いた後なので、足が重くて仕方がない。足場が悪いし、尖った石がごろごろしている。電燈もないから、日が暮れたら転んで足をくじきかねない。
 友人はどんどん登っていったが、山頂まで三分の一の所であきらめた。周囲は林ばかりで視界はまったく開けない。山頂まで十五分とあったが、その頃には日が暮れてしまうだろうし。
 左右に道が分かれたので、右側に進むと塩沢寺に出た。地蔵菩薩を祀る真言宗の寺院である。日が暮れていたので、地蔵堂の扉は固く閉じられ、人のいる気配は全くなかった。(つづく)


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2021年12月29日

年賀状はコンビニで

 小学生の頃、年賀状を書くときには、芋を削ってスタンプを作った。中学生になると、プリントゴッコという印刷機ができた。電球がぴかっと光ってマスターを作り、印刷するというものだった。
 かつては年末になると、印刷屋が大忙しだった。それがワープロができると、年賀状は誰もが自分で作るようになった。コンピューターが普及すると、カラー写真を取り入れた、プロ顔負けの年賀状も作れるようになった。ただ、家庭用のプリンターで印刷すると、インクが足りなかったり、ずれてしまったりで、お年玉付き年賀はがきを無駄にしてしまった。
 最近はワープロで年賀状の原型を作っておき、文句を多少変えて、写真を取り替えて保存したらpdfに変換し、セブンイレブンのコピー機で印刷するようになった。一枚六十円かかるが、本当にきれいに印刷できる。お年玉つきの切手を買って、コピー機のはがきに印刷していたが、お年玉付き年賀はがきの無地を持参して、機械の指示に従って差し替えて印刷する方が、切手を貼る手間が省けるのを知った。


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