橋立吊橋は右手の道をかなり進んだところにあった。長さは門脇埼吊橋と変わらないが、人の姿はまばらだった。岩場がさほど突き出していないので、荒波のダイナミックなしぶきは見られない。吊橋の真下は玉砂利が広がっているだけで、大波でも来ない限り、海水で洗われることはないのだろう。海風の音ばかりが耳につき、寂しい感じがしてならない。
ここは城ヶ崎海岸とともに、サスペンスドラマの撮影場所として、よく使われるらしい。吊橋の上からうつ伏せの死体を発見し、砂浜に打ち上げられた被害者に駆け寄る場面が思い浮かぶ。
「念願の橋立吊橋、見られて良かったね」と言うと、「念願って言われちゃった」と、友人は口をへの字に曲げた。
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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ラベル:伊豆半島,城ヶ崎海岸,橋立吊橋