最も大きく湿原に広がるのが、毘沙門沼である。光が水面できらきら光っている。鯉の群れがこちらの声を聞きつけて、集まってきた。餌をくれると思っているのだろう。あいにく何も持ち合わせていない。
人々の歓声が聞こえると思ったら、ボート漕ぎをしていた。日常的な空間がそこにはあった。井の頭公園かどこかのような。神秘とか自然美とか、目を見張る物がない代わりに、ゆったりとした時間が流れていた。
駐車場と土産物店が見えてきた。五色沼の探索路もここまでだ。時計を見ると、ちょうど午後四時になっていた。ジュースを飲んで一休みしたあと、五色沼入口の停留所で路線バスに乗った。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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