2025年05月18日

和泉貴子の《クリスタルボウル セルフチューニング》

 クリスタルボウルについてよく知らない人が、いきなりこのアルバムを聞いたら、これって音楽なの? と自問するかもしれない。はっきりしたメロディーはなく、自然音にクリスタルボウルの音が重ねてある。振動しているクリスタルボウルの縁を、指でそっと撫でていくと、共鳴する音が大きくなり、音割れ寸前まで高い音が鳴り響く。
 存在するすべての物は、量子レベルでは振動し続ける波動であり、肉体も振動するエネルギーなのである。疲れがたまっていたり、体調が良くないときは、本来の波動からずれてしまっている。そこで、クリスタルボウルの波動に心身を共鳴させて正常な状態に戻す「セルフチューニング」を行うのである。
 収録されているのは7曲で1曲目のCrystal Bowl Prologueでリラックスしたあと、2曲目のRoom Tuningで部屋の空間を整える。3曲目のHeart Tuningでは、地球の心拍数である「シューマン共振」に身を任せる。4曲目のPhysical Tuningでは、光が頭の上から背筋を通っているのを感じる。カバラで言う「中央の柱」をイメージする形だろうか。5曲目のMind Tuningでは、脳波をシータ波に誘導して変性意識を体験し、意識と無意識の狭間を漂う感覚を味わう。6曲目の Crystal Bowl Groundingでは、シューマン共振とNASAが宇宙空間でとらえた「地球の音」をミックスしている。7曲目のCrystal Bowl & Nature sound healingで意識を地上に戻すグランディングを行う。
 ソファーなどに寄りかかり、力を抜いてクリスタルボウルの振動に身を任せればいい。なお、クリスタルボウルについて知りたかったり、身体にあるエネルギーセンター「チャクラ」とクリスタルボウルの振動を共鳴させたりしたい場合は、和泉氏の『あなたの中にある13チャクラで幸運を呼び込むCDブック』を購入されるといいだろう。


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2025年05月16日

五色沼と檜原湖(5)

 午前七時に起きて、温泉に入ることにした。朝は雲が多かったが、薄日がさしてきた。露天風呂からは、林越しに檜原湖の湖面が見えた。お湯は弱酸性だが、メタケイ酸のおかげで滑らかだ。
 朝食もバイキングだった。チェックアウトする前に、遊覧船に乗ることにした。檜原湖は一八八八年の磐梯山大噴火で、山体崩壊した土砂が川をせき止めて生まれた。谷間にあった檜原村は水没した。湖面が川のように細長く、あちこちに小島が飛び出している。風景としては面白いのだが、そこには村を飲み込んだ悲劇が隠されている。
 遊覧船は十時に出航し、湖の半分を過ぎたあたりでUターンする。朝日を浴びた磐梯山と、湖面を吹き渡る風に胸が高鳴った。友人が丸く飛び出した小島を見て、盆栽のようだねと言った。ここにも洞爺湖のように、カモメが住み着いていた。


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2025年05月13日

小泉八雲の「青柳物語」について

 小泉八雲の「青柳物語」は『怪談』に収録された話である。この物語の構成は、現代人からすれば奇妙である。一篇の小説として見れば、欠陥だらけのようである。
 全体は三つの部分で構成されている。能登の大名に仕える若侍の友忠が、主君の命で京の都に向かう途中、吹雪に遭って一夜の宿を請う。そこで絶世の美女青柳と出会い恋に陥る。友忠は青柳の両親の許しを得て、妻となる青柳を連れて京に向かう。そこまでは近代的な小説の体裁を取っている。
 ここで小泉八雲は、日本語の原文が一貫性が取れていないことを指摘する。そこまでで言及されていた友忠の母や、青柳の両親、能登の大名が、その後の場面に全く登場しないからである。物語の中で触れた人物を、全く登場させずに放置するのは、近代小説としては禁じ手だからである。
 物語は一転して「昔話」の様相を帯びる。侍は主君の許しを得なければ、妻を娶ることはできない。それにはまず、京の都に行って、主君から託された務めを果たさなければならないが、同行してきた青柳を、有力大名である細川氏の従者に見つけられてしまう。細川氏は友忠に、青柳を差し出すように命じる。地方大名の家来に過ぎない友忠は、命の危険を冒して、連れ去られた恋人に手紙を送る。侍女となった青柳に内通したことが露見すれば、友忠は処刑されるはずである。案の定、友忠は細川氏に呼び出される。死を覚悟して参上すると、友忠と青柳の愛に感動した細川氏は、能登の大名に成り代わって二人の結婚を許す。ウラジミル・プロップの『昔話の形態学』が示すように、困難を乗り越えた主人公はついに結婚を果たし、物語は大団円に至ったかのごとく見える。
 ところが「青柳物語」はさらに続き、結末で神話的な様相を帯びる。幸せな結婚生活を送っていた二人に、ある日突然別れの時が訪れる。青柳は断末魔の苦しみの中で、自身が人間ではなく柳の精であり、木が切られたことで死ぬと伝えて、姿を消してしまうのである。友忠は出家し、諸国行脚の雲水となる。青柳の生家を訪ねると、そこには家の跡もなく、ただ柳の老木二本と若い柳一本の切り株だけがあった。これによって、青柳と出会ってからの出来事は、すべて幻であったという仏教的な結末となるのである。
 この世が夢に過ぎないとしたら、小説の中で触れた人物を、その後全く登場させずに放置するという禁じ手も、欠陥とはならないのである。このような物語の不思議な構成が、小泉八雲の興味を引いたのではないか。


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