2017年12月03日

阿寒湖畔に日は落ちて(2)

 釧路市湿原展望台は、道道五三号線沿いにある。西洋風の城をイメージした茶色い建物。入館は有料で五百円ほどかかる。しかも壁と林で視界が遮られている。中には「水の大地」釧路湿原を再現したジオラマや、ライブ映像も見られるようだが。
 ただ、ガラス過ごしではなく、肉眼で観察したいと思っていたら、サテライト展望台というのが遊歩道の先にあるのを知った。広葉樹の林の中をしばらく歩くらしいが、なかなか視界が開けてこない。
 展望台に到着した。以前に釧路湿原を訪れたのは、二十年ほど前のことだった。どうも記憶していたイメージとは異なる。それもそのはずで、細岡展望台とは反対方向から、湿原を見ているからだった。ここからだと、視界は開けていても、地平線も川の流れも見えない。しかも、南側には釧路市街の住宅地や煙突が見える。ちょっと絵にならない感じだ。
 写真とビデオで撮影。元来た道を戻らずに、順路を一周することにした。谷に下りていき、つり橋を渡り、山道を上って元の場所にたどり着いた。登山しているように汗ばんだ。元の茶色い建物が見えてきた。あとは阿寒湖を目指してひた走りする。(つづく)

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ネルヴァル Nerval の短編「緑の怪物」(ePub)

 19世紀フランスの狂気の詩人、ジェラール・ド・ネルヴァルの短編「緑の怪物」を新訳でお送りします。夢と現実の間をさまよいながら、シュルレアリスムの先駆的作品を生み出し、20世紀になってから再評価されたネルヴァルですが、今回紹介するのは、ネルヴァルの狂気の側面がうかがえる怪談です。
 作中には多数の固有名詞が出てきますが、余り気にせずに読み進めて下さい。注釈は最低限にとどめました。以前、「緑の怪物」の要約をブログに載せましたが、今回はガリマール社版の『ネルヴァル全集』第3巻を用いて全訳しました。なお、筑摩書房の『ネルヴァル全集』第4巻には、中村真一郎訳の「緑の怪物」が収録されています。
(注、ジェラール・ド・ネルヴァルをフランス語で表記すると、Gerard de NervalのGerardは、本来ならeにアクサン・テギュ accent aiguが付きますが、文字化けが発生するため、アクセント記号は省いてあります。)

 以下のリンクから、拙訳をダウンロードして下さい。
lemonstrevert.epub

 iTunesからダウンロードする場合は、ミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入ります。
 IEでダウンロードした場合は、拡張子をzipからepubに変えて、下記のアプリでご覧下さい。

 ePubはiOSのiPadやiPhoneなどで読むのに適した形式です。iBooksなどでご覧下さい。Windowsでは紀伊國屋書店のKinoppy(http://k-kinoppy.jp/for-windowsdt.html)が、最も美しくePubのファイルを表示します。

 ブラウザからePubを開く場合、Edgeならプラグインなしで読めます。Googleのchrome(https://www.google.co.jp/chrome/browser/desktop/index.html)なら、プラグインのReadium(http://readium.org/)をインストールして下さい。
 firefox(https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/)にもプラグインのEPUBReader(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/epubreader/)があり、縦書きやルビなどにも対応しています。

 なお、パソコンのiTunesで「購読」したり、iOSのアプリpodcast(https://itunes.apple.com/jp/app/podcast/id525463029?mt=8)でマイpodcastに登録すれば、確実に新しいエピソードが入手できます。

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2017年12月02日

阿寒湖畔に日は落ちて(1)

 北海道を旅するのは五度目である。前回は二〇一四年だから三年ぶり。では、今回の旅の目的は? と問われたら、若き日に訪れた地の再訪と答えるだろう。同じ場所を繰り返し訪れても、初めての時の感動はないはずだと言われそうだが、三十年以上の歳月を経ての再訪なら、これはわけが違ってくる。
 今回も飛行機を利用し、友人と羽田空港を飛び立った。窓の外は雲海が広がっていたが、風は強くかなり揺れた。到着三十分前には、襟裳岬が見えてきた。高度が下がっていたので、波打ち際の様子まで見える。あれが釧路の街だなと思ったら、低空で通過してしまう。空港は釧路湿原の方にあるのだ。
 午後二時半前に着陸。到着ロビーに出た途端、余りの寒さにくしゃみが出た。とても真夏の気候とは思えない。北海道の中でも道東は気温が低く、八月でも二十度を切る日がある。原因は寒流が流れる上を渡った風が、雲や霧となって太陽光線を遮るからである。
 レンタカーの会社の車に乗り込み、向かいの営業所へ送ってもらう。数台の車を紹介され、グレーの最新式を借りる。
「釧路湿原に一番近い場所はどこですか」
 教えてもらった地点をナビに入力。あとはアナウンスに従っていけばいい。若い頃のドライブとは大違いだ。すぐに出発した。天候はまずまず、雲は多いが日が射してくる。(つづく)

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