2017年12月06日

エベン・アレグザンダーの『プルーフ・オブ・ヘヴン』(2)

 エベン・アレグザンダーEben Alexanderの『プルーフ・オブ・ヘヴン』Proof of heavenは「天国の証拠」という意味のタイトルである。脳神経外科医の著者は細菌性髄膜炎で大脳機能を破壊され、死が確実視されていたにも関わらず、奇蹟的に意識を取り戻した。その間に得た「臨死体験」について述べた本である。「臨死体験」は一般に、死の苦痛を和らげるために、大脳が分泌する脳内麻薬による幻覚だと説明される。筆者の場合、心臓が停止したのではなく、大脳全体が髄膜炎に冒されていたので、たとえ脳内麻薬の影響があったとしても、受容体となる大脳組織は破壊されており、明晰な意識を保ち続けていたことが説明できないというのだ。
 筆者は「臨死体験」の間、「オーム」という神との一体感を感じていたが、「万物を創造し森羅万象を動かす根源とは、完全な合一はかなわないように思われた。」その間に言葉では表現できない知恵を得たと感じ、地上に戻ることに大いなる哀しみを抱いたという。
 体験の記述を始めてから、筆者はさまざまな「臨死体験」の文献を調査する。また、ハイゼンベルクが「不確定性原理」が説く理論、波動としての量子は可能性として存在し、意識が介在した瞬間に一つの現実になるという理論から、この世界は意識が選択したものであり、周波数が異なるところには、もう一つの宇宙が存在しているという仮説にまで言及する。
 脳神経外科医がこれほど踏み込んだ内容を発表したことは大きな衝撃であり、原著は全米200万部を突破する大ベストセラーになった。これは死の病に冒された人々には福音となる一方、「オーム」という神がヒンズー教や仏教で用いられるマントラ(真言)を連想させ、キリスト教の世界観と異なることから、教会側から異議が申し立てられているという。

参考文献
エベン・アレグザンダー『プルーフ・オブ・ヘヴン』(白川貴子訳 早川書房)

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2017年12月05日

エベン・アレグザンダーの『プルーフ・オブ・ヘヴン』(1)

 僕は若い頃、この自分が本当の自分ではないという感覚を持っていた。本当の自分がこの肉体に押し込まれているような。また、入浴中に眠ってしまい、目覚めた瞬間「宇宙が誕生してからこの方生きてきた自分」から、この自分に舞い戻ってしまったという喪失感を得た。
 これだけなら、若い頃の気の迷いで済ませられるが、眠っている間に「体外離脱」する感覚に襲われた。体と魂にずれが生じて、肉体を抜け出してしまうように感じられたのだ。宙に浮かんだまま、閉まっているドアに向かうと、手がドアをすり抜けてしまった……。「体外離脱」は不随意に起こり、急に肉体に引き戻されて終わった。

 父は病院で息を引き取る前、よく「母さん」という言葉を口にした。それが僕の母ではなく、亡き祖母のことを指しているのは、驚いた真顔や、息子に戻ってしまった口調で分かった。
「いや、あそこにいたような気がしただけだ」と、すぐあと説明してくれた。父のもとには、父の亡き姉も訪れていたようで、「姉貴が呼んでいる」と口にしたり、部屋の中に坊さんの幻が現れたと語ったりした。(つづく)

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