2019年01月13日

さくらももこの『もものかんづめ』(2)

 どのエッセイも抱腹絶倒なのだが、「乙女のバカ心」は絶品である。女の子のありがちな姿もここまで極端になると、ただ者ではないということになる。「バカ心」も天才と紙一重、というわけだ。渡辺徹に憧れてファンレターを出し、返事が来て恋人になり、スキャンダルに発展すると空想するくらいなら、女の子にありがちなことだろう。けれども、理想のボーイフレンドを想像すると、自分も良家のお嬢様になった気分となり、ラブストーリーが展開して、その世界に生きてしまうとなると、少々やばい感じになる。
 しかも「夢みる乙女の日記帳」なるものを二年半も書き続け、余りの恥ずかしさに筆者自身も「バカッバカッ、こんなもん書いてた私のバカ。こんな詩に、下手なカラーイラストまでつけていたのだから死にたくなる」と、笑ってしまっているのだ。
 芸人は自分が笑ってはならず、お客を笑わせるものだと言われるが、物書きは笑ってしまってもいい。そこが文章の特質であり、「バカ心」を表現している段階で、書き手は自身を客観化しており、笑いの壺がどこにあるかとらえている。そもそも、書き手自身が面白いと思わない題材が、読み手にとって面白いはずがないではないか。
 何はともあれ、手に取って読んでみるといい。次から次へと展開する逸話に、時が経つのも忘れてしまう。「そこまで言うか」という内容も含まれており、お堅いお方は目を背けるかもしれない。ただ、そんな人間は、そもそもこの本を手にすることはないだろう。

参考文献 さくらももこ著『もものかんづめろ』(集英社)


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《Gateway Experience》私見(pdf)

「体外離脱」を探究したロバート・モンローと、左右の脳を同期させるヘミシンクの技術、宗教的な変性意識が体験できる《Gateway Experience》、死後の世界を探索できる《Going Home》などについて、実践する場合に知っておくとよいことや、僕自身が体験した上での私見をまとめてみました。関心は持っているが、自身でやるかどうか迷っている場合などは、参考になるのではないかと思います。
 今回はパソコンですぐに開けるpdfを公開します。以下のリンクからダウンロードして下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。以下のリンクから、ダウンロードできます。
Gateway.pdf

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2019年01月12日

さくらももこの『もものかんづめ』(1)

 長谷川町子の『サザエさん』と、さくらももこの『ちびまる子ちゃん』が比較されることがある。『サザエさん』は昭和時代の平均的な家庭をモデルにしているが、長谷川自身は独身を貫いたので、作品は想像の産物である。何十年もアニメが放送されていて、それなりに面白いのだが、リアリティーはあまりない。いくつかのパターンを肉付けしているようで、人物に生気が感じられないのである。また、刺激も中和されている。ファミレスのご飯が、じいちゃんばあちゃんから子供にまで愛されるように、癖のない味付けになっている。
 さくらももこの『ちびまる子ちゃん』の方が、リアリティーが感じられるのは、ちびまる子ちゃんの一家が、さくらももこの育った家庭をモデルにしているからである。ただ、そのままではない。『ちびまる子ちゃん』に出てくるおじいちゃんは理想化された姿であり、現実には意地の悪い、嫌われ者の爺さんであったことは、エッセイ集『もものかんづめ』を見れば分かる。
 タイトルで明らかなように、さくらももこのエッセンスが詰められている。子供の頃、若い頃のさくらももこは、ちびまる子ちゃんが成長した姿であることが分かる。何でも思ったとおりにしようとするが、不思議と人に愛される。それは本人から漂うユーモアが、周囲を和ませるからだろう。(つづく)


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