2019年09月04日

クローン人間について

 クローンといいますと、クローン羊ドリーのことを思い浮かべる方が多いと思います。哺乳類で成功したということは、技術的には人間でも応用可能だということです。倫理的に問題があるので、各国で禁止されていますが、秘密裡に行われていると思われます。
 勘違いしてはならないのは、クローンは分身ではないということです。いくらクローンを作っても双子のようなもので、人格は別です。では、なぜ政治家はクローンを作りたがるのでしょうか。たとえ自分が死んでしまっても、クローンがいれば国の政治は乱れません。ただ、気の毒なのはクローンの方で、悪政を行った政治家が死亡していても、罪を問われて処刑されるのはクローンの方だからです。


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2019年08月17日

今は亡き宇宙物理学者(二)

 ブラックホールを探索していたときです。事象の地平線に近づくと、周囲の恒星からガスが引き寄せられていくのが見えました。ブラックホールとはよく言ったものです。その先は、文字通り黒い穴なんですから。私の体も強い力で引き延ばされていくのを感じました。
 でも、私は死ななかった、というより、もう死んでいるんです。一瞬でブラックホールの中心にたどり着きました。精神は肉体ではないから、破壊されなかったのか。しかし、ブラックホールの内部では、すべての情報が破壊されるはずだ。私の魂も木っ端微塵となっているはずなのに。だとすると、私はブラックホールに吸い込まれた夢を見ているのか。でも、辺りは漆黒の闇しかない……


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2019年08月08日

今は亡き宇宙物理学者

 天国も死後の世界もないと思っていた。人間の死はコンピューターの電源を落とすのと同じだと。ところが、私の意識はこうして存在する。しかも、体が不自由だったのに、今では時空を思うままに移動できるんだ。宇宙創世時にできたブラックホールが、消滅する場面を目にして、自分の理論が正しいことも分かった。
 宇宙の終わりはどうなるか、銀河系が消滅した未来にも行ってみたんだが、目印となる星がなくなると、自分がどこにいるのかも分からなくなって、あわてて戻ってきたというわけさ。困ったことといったら、生前の自分と今の自分が、同じ人間なのか分からないこと。それに、思ったことが何でも実現してしまう、いいことでも、悪いことでも。


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